ピクサーを創設したのは、Macやiphoneを開発したスティーヴ・ジョブズです。自身が設立したアップル社を追い出されたジョブズは、やはりディズニー社を辞めさせられたアニメーターのジョン・ラセターらの優れた才能を見込み、世界初のフルCGアニメ『トイ・ストーリー』を完成させ、大ヒットさせたわけです。
ジョン・ラセターが製作総指揮を務めた『トイ・ストーリー3』の大ヒットを見届け、スティーヴ・ジョブズは、2011年にすい臓がんで亡くなっています。56歳でした。ラセターやジョブズらの老いることのない童心や飽くなき探求心が、『トイ・ストーリー』という大人気シリーズを生み出したのです。
2006年にディズニー社に買収され、ピクサーの会社規模はぐんと大きくなりました。しかし、ディズニーの筆頭株主となっていたジョブズは亡くなり、ジョン・ラセターは「Me Too運動」の煽りを受けて、ディズニーからもピクサーからも去ることになりました。
微妙な評価だった『トイ・ストーリー4』
三部作完結編を公開時には謳っていた『トイ・ストーリー3』でしたが、ウッディたちがさらなる冒険に繰り出す『トイ・ストーリー4』(19年)が公開されています。興行的には成功した『トイ・ストーリー4』ですが、せっかく『トイ・ストーリー3』が感動的なフィナーレだったのに……という不満の声も上がっています。ウッディらがおもちゃの自立を求めて旅立つという物語は、当初のシリーズとは別物になった感がするのも確かです。
9月27日(金)の『金ロー』は、スピンオフ作品『バズ・ライトイヤー』(22年)が放映され、2026年には『トイ・ストーリー5』が公開されることが決まっています。人気シリーズの宿命といえばそれまでですが、ウッディやバズたちはお客が呼べる間は、ディズニーから搾取され続ける運命にあるようです。