うんち、出していますか? ご自身が「快便のために心がけている生活習慣や食習慣」を寄稿いただくシリーズ。ご自身が試してみて良かった、便秘を解消し、快便になったと感じている方法を率直に綴っていただきます。今回はうんち栄養士・梅原しおりさんの寄稿です。便秘を解消するために大切な食事法をご紹介いただきました。

 

うんち栄養士・梅原しおりと申します。

現在わたしは、便秘の人は快便に、緩めの人はシッカリ便に、臭いオナラも無臭に近づけるための栄養指導をしています。そんなわたしは幼少期から25歳頃まで、ガンコな便秘体質でした。今では、毎日バナナ状形のうんちが出るようになり、1日に2回以上出ることも珍しくありません。

この記事では、体験談を含めた便秘解消方法についてお話しします。

■「8割うんち」があだ名の学生時代

学生時代、わたしについたあだ名は「8割うんち」。ちょっと何を言っているのかわかりませんよね。当時、わたしは2週間以上うんちが出ないような、“腸”頑固な便秘に悩まされていました。

友人いわく、わたしは「常にうんこと共存していた」そう(いつもお腹にうんこを溜め込んでいたという意味)。そんな状態だったので「8割うんち」というあだ名がつきました。

思い出してみても、学生時代のみならず、幼少期からうんちを出してスッキリした記憶がありません。そんな便秘生活の幕を下ろすキッカケとなったのが「うんち観察」。3年ほど前、わたしは便秘解消しようと、「ウンログ」というアプリを活用して「うんち観察」をスタートさせたのです。

カレンダーに表示されているマークは、その日に出たうんちの形・色・回数(×2の場合は1日2回出たという意味)を表しています。空欄は、排便がない日

 

左が2017年4月、右が2017年9月の記録です。うんち観察を始めて半年後には、毎日バナナ状形のうんちが出るようになりました。

わたしが行ったうんち観察とは、形・色・ニオイの3つをチェックすること。前日の食事を思い返して、どんな食事をとったときに、バナナ状うんちが出る/緩くなる/出にくくなるのか……細かく記録をしました。

ここからは、うんち観察を前提にした便秘解消方法をご紹介します。

■便秘を解消するために実践した食事のポイント

わたしが便秘解消のために、行ったことはたったふたつです。

1.しっかり食べる
2.さまざまな食材を食べる

では、順番に説明していきますね!

1.しっかり食べる

うんちの材料となるのは、わたしたちが“食べたもの”です。たくさん食べる人は、たくさんうんちが作られますし、あまり食べない人は、作られるうんちも少なくなります。

女性に多いのが、ダイエット中の便秘。

食事量を減らすと、作られるうんち量も減り、便秘になりやすいのです。わたしは、万年ダイエッターだったので食事量が少なく、それが便秘の原因のひとつとなっていました。

はたまた「わたしはたくさん食べてるのに出ないよ!」という方もいるかもしれませんね。

その場合、1日にどのくらい食物繊維を摂取しているかチェックしてみましょう。快便になるには食物繊維の量がキモとなります。ちなみに、18~69歳までの男性は20グラム/日以上、女性は18グラム/日以上が目標量です。

1日3食とるとしたら、1食あたり6グラム以上が目安。とはいえ、どのくらい食事を摂ればいいのか、ピンときませんよね。

たとえば、大戸屋の「さばの炭火焼き定食/五穀ごはん」だと、食物繊維量は6.8グラムとなります。

つまり、食物繊維を1日に18~20グラム以上摂ろうと思うと、上記ボリュームの食事を1日に3回食べることになります。1日の食事が2回という人は、1食あたり9~10グラム以上が目安となるので“腸”ハード。

食事量や回数が少ない人は、間食を活用しましょう。
焼き芋など、食物繊維が多いおやつをチョイスすると“腸”うれしい!

わたしは、おやつのヨーグルトに“おからパウダー”を入れて繊維をプラスする、干し柿やナッツなど繊維豊富なものを食べる、焼き芋を凍らせてアイスにして食べるなどの工夫をしていました。

2.さまざまな食材を食べる

便秘解消で最も大切なのが、さまざまな食材を食べること! 食物繊維といえば「野菜」というイメージがあるかもしれませんが、野菜“だけ”でセンイ補給するのはナンセンス。

そもそも食物繊維とは「炭水化物=糖質+食物繊維」なので、ご飯など炭水化物を多く含む食材は食物繊維を摂取する上でとても重要です。ご飯を食べたら太りそう……と思う方もいるかもしれませんが、食物繊維が多い“炭水化物”を選ぶと、“低糖質”になるので安心してくださいね。

うんちが細くてスッキリしない人は玄米ごはん、うんちが硬い人は麦ごはんがオススメです。
わたしは、うんちが硬くて悩んでいたので、麦ごはんを1日3食の主食にしていました。その日の運動量によって主食の量を変えていますが、現在は1食180グラム食べています。

“炭水化物”に加え、野菜や魚介類、肉類、海藻類、豆類、イモ類、キノコ類、ナッツなど種実類、果物類など、偏ることなくいろいろな食材を摂ることが大切です。

「今日はまだ海藻を食べていないから、夜食べよう!」など、わたしは1日にできるだけ多くの食材をとるよう心がけていました。

なかでもオススメは、ワカメやメカブ等の海藻類、納豆などの豆類、イモ類、キノコ類など。これらには食物繊維が豊富に含まれているので、食生活に取り入れてみてください。

たとえば、これがわたしの1日のメニューです。

(朝)ごはん、たまご、納豆、めかぶ、トマトなどの野菜

(昼)ごはん、海鮮サラダ、焼き魚、海藻入り味噌汁(外食)

(間食)焼き芋アイス

(夜)ごはん、牛肉や鶏肉、温野菜・キノコなど

さまざまな食材を摂りながら、うんち観察を続けていると「メカブを食べたら出やすいカモ!?」など“気づき”があります。

何がお腹に合うのかは、本当に人それぞれ。ぜひ、あなたのお腹に合った食べ物を見つけてみてくださいね。これが“腸”重要です。

わたしは自分のお腹に合うもの、合わないものを見つけたので、便秘解消のみならず、“うんコントロール”が可能になりました。カチカチ便が出ようが、緩い便になろうが、何をすれば良いウンチが出せるのか把握しているので、不安になることはありません。

あなたも目指せ! 便マスター!

■快便は“腸”ハッピー! お腹のイライラはゼロ

長年悩んだ便秘を解消して、一番良かったと思うのは、イライラしなくなったこと。便秘気味だと、ガスが溜まりポコポコするので、お腹へのイライラが止まりませんでした。

さらには、食べることにもネガティブで、便秘がヒドイ時期は食欲がありません。食べたらまたお腹にイラつきそうで、食べるのが怖かったのです。便秘が改善された今は、“腸”ハッピー! 食事に対する恐怖もありません。

本文に「万年ダイエッターだった」と記しましたが、うんち観察にくわえ、運動も並行して行ったので、便秘だけでなくダイエットも卒業(12キロの減量に成功)。

うんち観察をスタートしてから、便秘やダイエットに、頭を抱えることはなくなりました。もし排便や健康、美容に悩んでいたら、ぜひ、うんち観察から始めてみてくださいね。きっと、“腸”ハッピーな毎日になるでしょう。今日のウンチは、何色でしたか? どんなニオイがしましたか?
 

Text/梅原しおり

 

■便秘を解消する食事法まとめ

著者プロフィール

梅原しおり

うんち栄養士
みんながうんちを見て、自分に合う食事をみつける世界へ。

早稲田大学人間科学部卒(臨床心理学・健康心理学専攻)、栄養士免許保有。
過食症に悩んだ大学時代、行動療法や健康心理学、さらには独学で栄養学を学び、自力で完治させた。
卒業後、美容・健康関連の企業を経て、栄養士養成専門学校に入学。スポーツ栄養を専攻し、腸内フローラの世界にのめり込み今に至る。
現在はプロスポーツ選手やおなかの不調に悩む人のための栄養指導、レシピ開発などを行っている。

 

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