地頭が良いというのは明確な定義がありませんから、むしろ定義は人それぞれ違くてもいいと考えるべき。重要なのは、親自身が我が家らしい定義(目標)をイメージすること。
今回のイギリス旅、これまでの海外旅、世界の食育を探求していく中で、私は「子どもが主体的に生きることができ、挫折や失敗に負けることなく、自分の人生を肯定的に重ねていける能力のこと」だと考えるようになりました。
◆小学生の子ども自身が感じた大きな発見とは?
地頭を良くするためには親がどんなに努力をしても、子どもがついてこれない場合があります。
気をつけるべきは、親が子どもの成長レベルや個性を理解せずに、理想像を押しつけてしまうこと。楽しい旅を通じて、子ども本人が発見したことは、一生モノの気づきになります。
今回オックスフォード大学の広い学内を探索して、子ども本人が気づいたのは、勉強というものは国語、算数、理科、社会、英語という科目だけのものではないということです。
大学にはカッコいい図書館や博物館があり、本や歴史、芸術や音楽を楽しむことができる。自然の中で友人と思いっきり遊んだり、リラックスすることも重要だということ。ハリーポッターに登場する食堂を見て、食事の時間の大切さにも気がついたようです。息子がポツリと言いました。
「日本に帰ったら、ママやパパと一緒に料理をしたり、博物館にもっと行きたい!」
私は食育研究をする立場として、改めて食育の重要性をかみしめた瞬間でした。そして帰国したら、イギリス菓子を作ろうという約束も交わしました。
このように、地頭を良くするためには、勉強という固定概念をやわらげながら、日常のすぐそばに存在する食や遊びのあり方を見直してみることも有効でしょう。
まずは毎日やってくる食シーンに注目し、取り組み方を工夫していくことで、子どもの知恵や感性を育んでいくことができるのではないでしょうか?