それ以来、自分にしか出来ていない経験は武器になるし、そういう経験をたくさん積み重ねていけば、唯一無二の役者になれると思ったんです。やったことがないことへの挑戦心は、常に持ち続けようと思うようになりました。
――そういう経験も経て今回の映画にも至るわけですが、映画やドラマで活躍中の現状をどう受け止めていますか?
木戸:「当時挑戦したかったことが、今できている」という喜びが一番にあります。その上で現場に行くことが今は楽しくて仕方がないですし、どんどん高みを目指したくなるような刺激もいっぱい得ています。主演の方のお芝居を近くで見て刺激を受けています。
◆憧れは所属事務所の社長でもある小栗旬
――ひとつひとつの仕事を丁寧に自分の中に織り込んでくような仕事の仕方とでも言いましょうか。
木戸:そういうスタイルかもしれないです。すべてがつながっていくという考え方をしていると言いましたが、これまで出会ってきた番組、人や作品は、それがもし一個でも欠けていたら、今この場に僕はいないと思うんです。そういう考え方をしているので、すべての経験が折り重なって厚みが出て、立派な役者になれると思っています。
――それこそ唯一無二の木戸さんの色が作られていく感じがします。
木戸:そうですね(笑)。でも自分を一色でたとえることが本当は難しいなと思っている部分があって、いろいろな色をみんなが持っているし、逆に役者という仕事をするなら、いろいろな色に染まれる白色が正解かも知れないです。自由自在に変わる、多彩な役者でいたいと思います。
――話をするにはまだ早いですが、来たる30代は楽しみですか?
木戸:楽しみではありますが、20代が終わってしまう不安もあります(笑)。でもしっかり地に足が着いた、厚みがある役を演じられる30代を過ごしたいなと思っています。
――将来的な理想像はありますか?
木戸:事務所の社長でもある小栗旬さんの役者ロードには、とてもあこがれがあります。20代は本当に多忙で輝いていて、やがて大河の主演やハリウッドまで挑戦しているという。まだまだ止まらない、どんどん前に進んで行く姿が、僕は後ろから見ていて本当にかっこいいと思います。そういうふうになりたいですし、素敵な社長です(笑)。