訴訟は2曲の類似性を厳しく指摘
訴訟ではさらに、共同作曲者のひとりであるマイケル・ポラックが2023年3月にビルボード誌とのインタビューでこの二曲の類似性について「コメントを拒否した」ことにも触れられている。
訴訟は「ブルーノ・マーズの『When I Was Your Man』のファンなら誰でも、マイリー・サイラスの『Flowers』が独自にその成功を手にしたわけではないと知っている。『Flowers』は、『When I Was Your Man』のメロディ、ハーモニー、歌詞の要素を多数コピーしている。特に、メロディのピッチデザインとAメロ部分、つなぎのベースライン、サビの一部の小節、劇的な音楽要素、歌詞の要素、特定のコード進行などが挙げられる」と説明し、特に「Flowers」のサビ冒頭のボーカルラインが「When I Was Your Man」と「著しく類似している」と主張している。
さらに「2つの録音物の間の類似点の数と組み合わせに基づけば、『When I Was Your Man』なしに『Flowers』が存在し得なかったことは否定できないはずだ。『Flowers』において、サイラス、ハイン、ポラックは、無許可で『When I Was Your Man』の派生作品を作り上げたのだ」と厳しく糾弾している。
2曲を比較してみると…
ブルーノの「When I Was Your Man」はガールフレンドと破局後の男性が、“もっと相手のことを考えればよかった”と悔やむ歌詞が中心となっているのに対し、マイリーの「Flowers」はボーイフレンドと破局後の女性が“あなたが何かしてくれなくても一人で生きられる”と強く進んでいくような歌詞が中心となっている。
たしかに対になるような2曲ではあるが、“失恋後の後悔を歌う曲”と“失恋後に強く歩き出す曲”だけであればまだ、ありふれたテーマではあるといえよう。しかし、もっともわかりやすいのは2曲の歌詞の類似性。これは以前からソーシャルメディアなどでも指摘されていたことではある。
ブルーノの楽曲のサビは「That I should’ve bought you flowers and held your hand Should’ve gave you all my hours」(君に花を買えばよかった、手を握ればよかった、僕の時間を君に割くべきだった(と気づいたんだ))と始まる。