“神に愛された悪魔”は最終回では神に見放されてしまうのか――。

 9月8日、日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)の第9話が放送された。幼くして離れ離れになった天城と渡海(二宮和也の二役)の“手術室での再会”に感動したのもつかの間、天城に最大のピンチが訪れる。最終回を前に物語は予測不可能な展開となった。

 金で医療ミスを帳消しにする天才医師・渡海の活躍を描いた日曜劇場『ブラックペアン』の続編である本作品。新たな主人公として“神に愛された悪魔”と称される世界的心臓外科医・天城が登場し、天城と渡海が瓜二つであることが視聴者の間で話題を呼んだ。天城は東城大学医学部付属病院の新病院「スリジエハートセンター」を開院するため、天城のみが行える心臓冠動脈バイパス術「ダイレクト・アナストモーシス」で手術志願者を募り、高額な報酬を見返りに高難度手術を成功させていく。新病院開院の資金にめどがついた矢先、天城は突然倒れてしまう。天城は3歳の頃に内胸動脈を“双子の弟”に提供したが天城もまた冠動脈疾患を発症し、30年以上経った今も病を抱えて続けていた。手術室で命の危機に瀕する天城の前に現れたのは、天城の“双子の弟”、渡海だった。渡海は天城の命を救うことができるのだろうか。

 天城の生死をかけた手術は、東城大学医学部付属病院の院長・佐伯(内野聖陽)と最新医療機器「エルカノ・ダーウィン」が「ダイレクト・アナストモーシス」を行い、渡海が佐伯の専売特許である心臓手術「佐伯式」を行う『高難度術式の同時進行』により、なんとか成功した。天城の生還に安堵する佐伯。自身の医師生命を脅かす“悪魔”を蘇らせてしまったとも知らずに……。

 これまでの放送回でたびたび映し出された、天城が東城大の『医療事故調査報告書』を調べるシーン。これは、天城の父で医師の司(大和田伸也)に佐伯がなすりつけた形となっている医療過誤の真実と、司と佐伯の間で交わされた“ブラックペアンの約束”の詳細を探るためだった。天城が冠動脈疾患で倒れたまま亡くなっていれば、佐伯の黒い過去は闇の中に葬られただろう。しかし、一命をとりとめた天城は、これまでの利己的なキャラクターはどこへやら、佐伯に“ブラックペアンの約束”を反故にされた父の無念を晴らすため、復讐する機会をうかがっていた。ただ、天城の“突然のキャラ変更”はバッドエンドのフラグのように思えてしまうのだが……。