ご存知のとおり、PV(ページビュー。読まれたページ数)が取れればネット広告料や配信料が入ります。ネット上の祭り、特にバッシング祭りは、その手の話題に強いWebメディアにとってビジネスチャンスです。

もちろん日刊SPA!や女子SPA!だって数本の記事を作りましたが、スピードと量産体勢ではスポーツ新聞等に全くかなわないのです。

◆2~3日遅れたら、読者はもう飽きちゃっている

速報的なWeb記事の多くは、当事者2人のSNS投稿、有名人のテレビやSNSでの発言、一般人のコメントを拾った、いわゆる“コタツ記事”(取材ナシでコタツに入ったまま作れる、の意味)。最近批判されることが多いコタツ記事ですが、量産されるのにはやはり理由があります。

「PV至上主義と批判されますが、読者が読みたがっているからPVが取れるわけで。フワちゃん騒動よりも、ガザで学校が爆撃されて100人死亡したニュースのほうが重要なことは、当たり前ですよ。でもそれを何人が読んでくれるのか?

また、芸能記事でもきちんと取材して記事にしたとして、それで2~3日遅くなったら、もう世間はその話題に飽きてしまっているんです」(Webメディア記者)

この葛藤は痛いほどわかります……。

ネット記事
8月13日昼にGoogleニュースを検索すると、まだフワちゃん記事がズラリ。芸能活動休止しても祭は終わらない?
◆芸能記事はケナすほうが読まれる現実

今回、世間の反応がほぼ「フワちゃん叩き」一色でしたから、そのSNSコメントを拾った記事も同じ方向になります。確かに、最初にひどい投稿をしたのはフワちゃんですが、オーバーキル(必要以上の攻撃)ではないか?と疑問を呈する記事は少数でした。

「一般に、芸能人をほめたり擁護するより、サゲるほうがずっとPVが取れます。つまり世間の人は常に誰かをケナしたいのです。特に、みんなが誰かを叩いているとき、『叩きすぎだ』という“逆張り”より、『そうそう、ヒドいよね』という“順張り”のほうがはるかによく読まれる。