◆加害や被害を過小評価してしまうことがないように

中川:このコミュニティの最大の目的は「知識を持った仲間」として機能するところにあります。どんなに自分に親身になってくれる人でも、その人が加害やケアについてわかっていなければ「でもそれは相手にも悪いことがあるよね」とか「そのくらいどこでもあることだよ」といったふうに加害や被害を過小評価してしまうことがあります。これは加害者の自覚を鈍らせ、自分の責任において自分の言動を選ぶという意識を失わせてしまいます。

 ですから、うまくいかない苦しさや、加害者変容の大変さを分かち合い、なかなか自分の変容が伝わらない時の苦しみも分かち合い、そしてそれでもまたなんとかかんとかやっていきましょうと応援しあえるような仲間の存在が極めて重要だと思っています。