◆「お迎えよろしくね」と誰かに電話する彼…

アルバイトの休憩中
 とはいえ、付き合った相手はアルバイト先の店長。そんなことは誰にも言えず、交際して1年が経過しても、2人の関係性のことは隠していたといいます。順調に関係が進んでいるかと思いきや、ある日予想だにしない出来事が起こります。

「アルバイト先の休憩時間に2人で話していたとき、彼のスマホに着信がありました。彼は急いで休憩室を去り電話に出たので、怪しく思い、耳をすませると『◯◯(名前)のお迎えよろしくね』という一言が聞こえたんです」

 この一言で怪しく思った金田さんは、彼を問い詰めます。

「彼は変わらず優しい態度を取っていましたが、既婚者で子どもがいるんじゃないかと疑ってしまい……。後日、不倫なのかと聞くと、表情が一気に変わりました。やはり、私の予想は的中していたんです」

◆彼のありえない言い訳にドン引き

 妻子持ちであることがバレた彼。それでも付き合おうと、とんでもない言い訳を口にします。

「彼はポリアモリーだと言い、不倫を正当化したんです。たしかにポリアモリーは、交際相手が複数人いてそれぞれと関係性をもつ恋愛スタイルですが、それぞれの関係性のことをほかの交際相手に隠すことはありません。

 私は奥さん、ましてや子どもがいることなど知りませんでしたし、そのことに同意していません。彼の家族も私の存在を知らないので、ポリアモリーと自称することには無理があるなと感じました」

 それでも彼はポリアモリーであることを突き通します。

「彼は『ポリアモリーであることをわかってほしい。だけど、こっちにもいろいろな事情があるから、今後もこの関係性を家族に伝えることはできない』と言ったんです。その一言で彼に対する気持ちはプツンと切れ、その日のうちにお別れをしました」

 金田さんはその後、アルバイト先に居づらくなり辞めることになりました。最後は散々でしたが、一方でカメラマンの仕事が増えてきたのだそう。仕事も恋愛も順調に進むことを願います。

<文/Honoka Yamasaki イラスト/zzz>

【Honoka Yamasaki】

ライター、ダンサー、purple millennium運営。
Instagram :@honoka_yamasaki