◆出産後に、まさかの転勤宣告

そこから、さらに1年が過ぎた頃、夫は会社から転勤を告げられたそうです。

結婚した頃は、確か「転勤するか否か、転勤の希望先は、会社に申告できる」と彼は言っていたはず。恵子さんは不審に思ってそのことを伝えると、夫は「一応、転勤の希望は伝えられるけど、必ずしも希望通りになるとは限らない」と一言。

夫の話によると、出世コースの男性はいろいろな現場で経験を積む必要があるため、3~4年おきに転勤するケースが多いそうです。

夫自身も最初は「家族のためにも、転勤しない方がいいかもしれない」と思っていたものの、同僚がどんどん出世する姿を見ていくにつれ、いてもたってもいられなくなったとのこと。夫の話を聞き、もしかしたら「自分から転勤したい」と申告したのかもしれないと、恵子さんは言います。

思い起こせば、家を建ててから恵子さんの母親が頻繁に顔を出すようになりました。孫の顔を見たいということもあったのかもしれませんが「頭金の一部を出した」「近くに住んでいる」という想いもあったのでしょう……。

どうやら、当たり前のように家に来る母親の姿に、夫はあまりいい顔をしていなかったのだとか。もしかしたら「居場所がない」と感じた夫は、自ら単身赴任の道を選んだのかもしれません。