「出張」はビジネスにつきもの。出張すればホテル代や交通費はもちろん、食事代など、何かと費用がかかるものです。そのため、コスト削減の対象にもされやすく、「出張費を削減するよう上司から言われている」という人も多いのではないでしょうか。そこにコロナ禍が拍車をかけ、出張の考え方も変化しつつあります。そこで今回は、あらためて出張費の基礎知識を確認するとともに、評価アップにつながる出張費削減のポイントをチェックします。

出張費とは?一般的に出張費に含まれるもの

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そもそも出張費とは、その会社の社員が業務のために遠隔地に出向く際にかかる費用のことです。出張費に含まれる費用はおもに次の通りです。

  • 宿泊費
  • 交通費
  • 交際費(接待費)
  • 会議費
  • 出張手当(日当) など

宿泊費はホテル代、交通費は航空運賃や鉄道運賃のことです。交際費は、取引先の接待に係る飲食代やお土産代などが該当します。会議費は、会議にともなう食事代や会議室利用料などのこと。

なお、昼食や夕食など出張中の個人的な飲食代は、出張費に含めないのが一般的です。その代わりとして、「出張手当」を支給する会社もあります。出張手当とは交通費・宿泊費以外の諸経費に対する費用を補填するためにあります。

出張費は会社側にもメリットがある

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実は払う側の会社にとっても、出張コストを「出張費」として計上することはメリットにつながります。なぜなら経費として計上することで、その分だけ法人税の節税につながるからです。

そして経費にできるのは宿泊費や交通費だけではありません。出張旅費規程に明記していれば、出張手当も経費として繰り入れることができます。

また、通常支払われる給与には所得税が課されますが、出張手当は適切な金額の範囲であれば、通勤手当と同じように非課税扱いになります。そのため、出張費は会社にとっても、従業員にとってもメリットがあるのです。

「出張費の節約」で評価を上げよう

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出張費には税制上のメリットがあるからといって、むやみに使っていいわけではありません。出張費を最大限に活用しながらも、節約しようと思えば削減の余地も大きいでしょう。ここでは自分の評価を上げるため(そして、下げないため)に知っておきたい出張費の使い方についてポイントを紹介します。

不正は絶対NG

まず前提ですが、「不正」をしてはいけません。たとえば、カラ出張のように実際には支出していない費用を会社に請求するのは立派な犯罪です。最悪の場合、懲戒解雇はもちろん、詐欺罪や横領罪に問われる可能性もあります。

出張の決まりは会社それぞれが「出張旅費規程」で定めています。基本的にはそれに従って出張を遂行することが大切です。

出張費を節約するなら早割を利用するのが王道

出張費を抑える方法の一つが、「早割」などの割引料金を利用する方法です。たとえば、東海道新幹線の早割チケット(EX早特21:21日前までの予約で、早朝・日中の「のぞみ」が対象)を利用すれば、東京・新大阪間が所定運賃(通常期・普通車指定席・片道)より3,000円以上もお得になります。同じ出張先、宿泊先でも早めにチケットやホテルを予約・購入することで、出張費を節約できます。

そのためには、自身が今やるべきことを整理し、前もってスケジューリングをする必要があります。ここがポイントで、何ごとも早めにやるべきことを済ませたり、先を見通せたりする人は評価されるものです。

たとえば、同じ出張をした場合、「Aさんの出張費は5万円」、一方で「Bさんは3万円で済む」となったら、上司はどちらを評価するでしょうか。もちろん、出張の具体的な成果にもよりますが、コストがかからないことも評価に値するのではないでしょうか。