「私と付き合っていた時の部屋からは引っ越していましたが、置いてある物は変わらなくて妙に落ち着くなとホッとしました」

「このまま、よりを戻す事になったりして」と思っていると、Fさんに電話がかかってきてスマホ片手に部屋を出ていきました。

「何気なくキャビネットを見たら、裏返しに置いてあるポラロイド写真が置いてあったの見てみたら…」

 それは、ビキニ姿の女性とFさんが抱き合い、女性のお尻をわしづかみにしている写真でした。

「なんだコレ? とよく見たら、後ろに“〇〇ちゃんご来店”というボードがあったので、きっとAV女優さんとかのイベントに参加したんだなと思いました」

◆別れた理由を思い起こし反省

ハートブレイク
 その写真を見てモヤモヤする美穂子さん。

「なんか、安易にこんなイベントに参加して調子に乗ってお尻をわしづかみにするような男ってどうなの? と思ってしまって。だってこのイベントに参加すれば全員お尻触れるんですよね? そんなのつまらないじゃないですか?」

 自分の魅力で女性を惹きつけて、むしろ女性の方から“触って欲しい”と思わせるような男になれよとついイラッとしてしまった美穂子さんは…。

「Fが電話を終えて戻ると、ほどよいタイミングで話を切り上げ帰りました」

 いくら寂しいからといって、再会してすぐの元カレの家に行くなんて良くなかったなと反省した美穂子さん。

「よく考えたら、コイツの安易なところにムカついて喧嘩が絶えなくなって別れたんだったなと思い出しました」

「いや~あの写真を見つけてホント良かったです。危うくよりを戻すところでした」と笑う美穂子さんなのでした。

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】

漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop