この時は、早朝にものすごい動悸で目が覚めるという症状。「なにか取り返しのつかないことをしたんじゃないか、自分のせいで子どもたちに迷惑をかけてるんじゃないか」という思いが拭いきれないほど強くなっていって。もう仕事もやめたくなって、事務所にもそんな話をしてました。
でも「この感じは不安症だ」と自覚はできていたのはよかったと思います。事務所にも「私が言ってることは不安症という状況下での発言です」と混乱のないよう伝えることもできました。
◆SNSの通知を切って脳を休ませた
――2度目の治療は具体的にどうやって行ったんですか?
犬山:服薬治療と、カウンセラーさんに話を聞いてもらったことで、4か月くらいで大丈夫になりました。SNSの通知を切ったりと脳を休ませる方法も勉強したりして。
そのときは夫も自分を責めている状態だったから、夫に不安をぶつけたくないなあという気持ちがあったんです。そんな気持ちもカウンセラーさんに聞いてもらってましたね。
劔:性格的に彼女は喜怒哀楽がすべて表に出るほうなので、つらいんだろうなというのは僕も感じました。かわいそうでしたね。でも自分は何もしてあげられないんじゃないか、むしろ自分が悪いんじゃないかって気持ちになっていて……。
――そのころ、劔さんはどんなしんどさを感じていたんですか?
劔:僕はデフォルトでダメなのがしんどかったですね。彼女はいいとき悪いときがあるのに、自分はずっとダメ。「不平等だな、自分は役に立たないな」という感覚はありましたね。そこでちゃんと彼女を助けられたら自分にとってもプラスになると思うんですけど……。
◆「生きててくれてありがとう」
犬山:でも、夫はとても優しくて気も遣ってくれるし、顔を見るだけで癒されるんですよ。育児や家事を頑張ってくれて、私が休むことに集中できる環境を作ってくれる。だから感謝しかないわけですが、感謝の気持ちを伝えても……。