焼き肉チェーンの「牛角」は9月2日から9月12日まで、女性限定で食べ放題コースを半額にするキャンペーンを実施中です。

8月末にこのキャンペーンが発表されるや否や、SNSやネットでは「男性差別だ!」という一部男性からの批判が殺到。現在もなお、この件に対するさまざまな議論が飛び交っています。

(画像:牛角公式サイトより)
(画像:牛角公式サイトより)
◆女性半額やレディースデーの背景には賃金格差があるのに…

女性の社会進出が進んでいると言っても、日本ではまだまだ男女の賃金格差があるのが現状です。実際に2024年9月2日に政府の発表によると、2023年における基本給を中心とする「所定内給与」について男性を100%とした場合の女性の賃金の割合は、格差が最大の栃木は71.0%、最小の高知は80.4%でした。

ちなみに2021年における経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進国の平均が約88%。女性の管理職比率や平均勤続年数、正規雇用率などの低さなどの問題も複合的に重なっており、日本はまだまだ世界的に見ても男女の賃金格差の開きが大きいことがわかります。

こうした現状が映画館や飲食店のレディースデーの背景の一つであることは言わずもがなでしょう。賃金格差だけでなく、そもそも男性よりも食事量が少ない傾向があるのに男性と金額が同じになる状況は不公平と考えることもできます。そのためこうした女性優遇の制度が設けられている現状があるのでしょう。

◆「男性差別だ!」に対するさまざまな意見

また女性客は消費力やリピート率も高いことから、レディースデーや女性半額キャンペーンなどによって男性客だけでなく女性客を積極的に呼び込むことも目的。さらには女性客誘致のためにはセキュリティや清潔感の強化などが求められます。

結果として店舗側にとっても売上向上や採用難解消などの各課題の解決にもつながっていきます。

(画像:株式会社レインズインターナショナルプレスリリースより)
(画像:株式会社レインズインターナショナルプレスリリースより)
こうしたさまざまな理由からこれまでもレディースデーや女性半額など女性優遇の施策は行われてきました。しかし先日の牛角が打ち出した食べ放題の女性半額キャンペーンはSNSを中心に一部の男性から「女性だけを優遇するのは男性差別だ」とする意見が出ていました。そしてこれに反対する意見なども飛び交って今なお炎上しています。