常にトークリストの上部にあったそのグループLINEは、次第に位置を下げていき、やがて画面外に姿を消したのでした。

◆挙式3ヶ月前、住所をきいてもシーン

 久しぶりに6人のグループLINEが動いたのは、マリさんの結婚式から約3ヶ月前。招待状を送るために、マリさんがみんなへ住所をたずねるメッセージを送ったときのことでした。

 すぐに既読がつき、<了解! あとで返信するね>というメッセージや、「OK」というスタンプなど、とりあえずの反応がありました。

 忙しい合間に返事をくれることが嬉しかったというマリさん。みんなから住所の連絡が来るのを待っていると、うち1人から個別でLINEが届きました。

<ごめん、マリ。行きたかったんだけど、その日親戚の結婚式があったの忘れてて……。ごめんね! 式の写真、よかったら見せてね>

 マリさんは残念な気持ちではありましたが、行きたかったという気持ちに対するお礼とともに返信。他のみんなからの連絡を待ちながら結婚式の準備を進めていましたが、6人のグループLINEは再び静かになったまま……。

結婚準備

◆全員から欠席の返信。誤爆されたメッセージにア然

 あらかじめ伝えていた期日になると、残り4人それぞれから個別LINEが届きました。内容はいずれも、出席できないというもの。

 理由は、「同日に幼馴染の結婚式が入った」、「同日に会社の研修合宿が入った」、「入院中の親戚の体調が芳しくないので、しばらく休日はずっとお見舞いに行くことになった」、「昨年親戚が亡くなって喪中にあたるからと家族に反対された」――。

スマホに苦しむ女性
 全員の欠席など予想だにしていなかったマリさんが、悲しみとショックで泣き出してしまっていると、またLINEの通知音が鳴ります。今度は6人のグループLINEへ、

<ご祝儀の3万円で旅行しよ! 私たちは人の幸せ祝ってる場合じゃないからね!笑>

 というメッセージが届いては、まもなく送信が取り消されたのです。まるで彗星(すいせい)のごとく現れて消えたそのメッセージに、マリさんはア然。今のは一体……?