「盗撮行為の撲滅はスポーツ界全体の課題であり、NPBもまたしっかりと取り組まなくてはならないことです。当然のルールと言えるでしょう」(同)

 一方、プレー中の動画のSNS投稿禁止については、一部から嘆きの声も聞こえてくる。

「試合を撮影して収益目的で生配信したり、観客席から撮影した動画を個人のYouTubeにアップしたりといった行為は、主催者の権利を侵害するものであり、禁止されて当然です。これについてはすでに球場や球団が禁止しているケースも多く、それをNPBでしっかりと明文化したと言えるでしょう。ただ、収益目的とは言い切れない好プレーを撮影した短い動画なども禁止の対象となるので、残念に思う野球ファンもいるでしょう。通常の中継では見られないアングルからの好プレー映像を楽しみにしているファンも多かったと思います。それらが完全にNGになることで、プロ野球の楽しみ方が狭まってしまうと感じるファンもいるわけです」(同)

 禁止行為のチェックは、各球団や各球場が行い、違反者に対しては試合観戦契約約款に基づく処分を行うことがあるという。

「収益目的の配信・投稿とそうではない投稿を明確に線引きするのは難しい。かといって野放しにもできず、いったん“試合中の映像の配信・送信はNG”とまとめで禁止するしかなかったのだと思います。また、各球団・各球場側がネット上に投稿されている映像をすべてチェックするのが難しいという現実もあります。そう考えると、収益目的ではないSNSへの短い動画の投稿などは事実上の黙認状態となり、明らかに収益目的である生配信や長時間の試合動画投稿などを取り締まっていく形になるのかもしれません」(同)

 とはいえ、選手のプレー写真・動画の投稿が明確に禁止されたということで、今後は“好プレーのショート動画”などは確実に減っていくだろう。それらを楽しみにしていたファンを満足させるために、球団側の施策も必要となってくるかもしれない。