『ギークス』では、この2本が2本ともグラグラに動くんです。しかも、行ったり来たりする。リアリティラインでいえば、第3話の幽霊が象徴的ですし、西条の部下の杉田が第6話でいきなり天才ハッカーになってしまったあたりもそうです。

 ドラマチックラインでいえば第5話と第6話で安達さんをキャラ変させてまで大仕掛けをしたと思ったら、第7話の「棒で襲われた女子高生」、第8話の「ジャッジマン」と小さな事件を立て続けに出してきて、あっさり「ゲスト犯人で1話完結」したりしてくる。

 これが、前述した「全体としてのディレクションが効いてない」という印象につながってるんだと思います。

 いずれにしろ、もう岡留さん事件で最後まで行くんでしょうから、多少は見やすくなるのかもしれません。悪口を書いてしまったけど、けっこう好きなんですよ『ギークス』というドラマの世界観。物語に没頭させておくれ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)