それだけに、最終回では視聴者の予想を裏切る“真のハヌッセン”の出現が待たれるところだ。「期待の若手官房長官が内閣総理大臣の軍門に下った物語」ではなんとも味気ないだろう。それに、清家を一流の政治家にするために人生を捧げてきた鈴木、美和子、浩子が報われない。浩子にいたっては、余命僅かな状況で清家と絶縁していた事実を周囲に知られることとなった。清家と浩子という親子の物語が、少なからずハッピーエンドになることを願っている。浩子の最期のシーンは、息子をもつジャーナリストの道上香苗(水川あさみ)にとって、“母としての道しるべ”になるはずだ。

“真のハヌッセン”の正体、鈴木の父と羽生がからむ「BG株事件」の真実、そして清家が政治家として叶えたい“悲願”の全容……。最終回はいままで積み上げられてきた謎が次々に明らかになること間違いはないだろう。ドラマの新機軸といえるヒューマン政治サスペンスを謳うからには、ヒューマニティあふれる結末を期待したい。

■番組情報
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系毎週金曜22時~

出演:水川あさみ、玉山鉄二、櫻井翔、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、高岡早紀、ほか

プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行、城宝秀則、小林義則、朝比奈陽子
原作:早見和真「笑うマトリョーシカ」(文春文庫)
脚本:いずみ吉紘、神田優、福田昌平
音楽:大間々昂
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
政治監修:須山義正、武田一顕
法律監修:岡本直也
児童福祉監修:永野咲
警察監修:石坂隆昌
医療監修:中澤暁雄
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS

公式サイト:tbs.co.jp/waraumatryoshka_tbs/