交通事故で亡くなった大学バスケのスター選手・南くん(八木勇征)が、その未練から小さい実体を伴ったまま現世を生き延びている様子を描いたドラマ『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)も最終回前の第7話。

 南くんの彼女だった女子高生・ちよみ(飯沼愛)は身長15センチになった南くんと楽しい時間を過ごしていましたが、南くんの「俺はもう死んでいる」という告白を受け入れることができません。

「南くんはちっちゃくなっちゃったけど、そのうち戻るだろうから、今を楽しもう」と始まったひと夏の物語でしたが、「どうやら戻らない」ということが明確になった今回。振り返りましょう。

■ならば私も小さくなる

 南くんからの「もう死んでいて、もうすぐ消えてしまう」という告白を受け入れられないちよみは、手芸部で南くんの服を作りまくります。南くんにはもう来ない冬に切るダッフルコート、ダウンジャケット、スノボウェア、そして結婚式で着る真っ白のタキシード。ちよみの頭の中は、まだ「大きい体に戻った南くんと将来やりたいこと」でいっぱいでした。

 しかし、そうした空想を浮かべるにつれ、涙が止まらなくなってしまったちよみは、ある決断をするのでした。

 ちよみは南くんを連れて、南くんが事故に遭った現場を訪れます。そして、猛スピードで走ってくるトラックを見ると、車道に飛び出して強く目をつぶります。このとき初めて、ちよみの頭の中には「ちっちゃくなった自分」が思い浮かぶのでした。南くんと同じようにちっちゃくなれば、楽しい毎日が続くかもしれない。そんな幼稚な発想で、ちよみは後追い自殺を図ります。

 なんとかトラックが避けてくれたことで事なきを得たちよみは、ようやく南くんの死を受け入れることができました。

 その後、南くんの“終活”に協力することにしたちよみ。南くんが、わだかまりのある父親(沢村一樹)に向けたビデオメッセージをスマホに収めますが、父親がガラケーであることに気づき、直接父親の家を訪ねてリビングのテレビにそのメッセージを映し出すことにしました。