江戸時代中期になると、客が酒屋で買った酒を待ちきれずに現代の角打ちのようなスタイルで、酒屋で酒を飲むようになったことが居酒屋の起源になったとのこと。その後、酒屋が酒の肴を充実させていき、現代の居酒屋スタイルになっていったそうだ。

江戸前の看板と水槽に生きた鰻。入口で蒲焼を焼く姿(「絵本江戸大じまん」安永8年)

振り売りから様々な食べ物を入手できた江戸時代だが、飯野亮一先生は、夏の時期に楽しまれていた代表的なものとして、振り売りの蒲焼、

夕河岸の鯵売り(「川柳二合半酒初編」嘉永4年)

夕河岸の鯵売り、

皿に盛られた「芋の煮ころばし」と燗酒(「新版御政府流行名物案内双六」嘉永年間)

新芋(里芋)、ゆで豆(枝豆)、おでん等についても解説。


参加者は講座の後に、江戸文化を感じるお弁当と、


燗酒・冷酒を楽しんだ。

情報館の今田周三館長コメント

今田周三館長

今回のイベントを企画した、情報館の今田周三館長は、「日本料理は室町時代に独自の発展を遂げ、江戸時代に完成されたといわれています。歴史に培われた日本の食文化の本質を大人の嗜みとして、知って楽しんで頂き次の世代にもつなげてゆきたい」とコメント。

イベントの参加者は「江戸時代の食は質素なイメージがあったが、酒をいかに楽しむかという様々な工夫と共に発展し、創造よりも豊かで人々が食や酒をとても楽しんでいる印象を受けた」と笑顔を浮かべていたという。

次回の講座は9月17日(火)に開催

情報館では、引き続き「酒にまつわる大人の嗜み講座」をシリーズ化し開催する予定。

次回「講談と和菓子で楽しむ日本酒の夕べ」は、9月17日(火)18:30~20:00に開催され、現在Peatixにてチケットを販売中だ。

その後、11月20日(水)18:30~20:00に「酒にまつわる大人の嗜み講座 江戸の燗酒」、2025年1月15日(水)18:30~20:00に「浪曲と和菓子で楽しむ日本酒の夕べ」を開催。詳細は、後日公開される予定となっている。