新型コロナウイルス感染拡大は国民の生活に大きな影響を与え、日本だけではなく各国でも給付金などが支給されました。これらの動きに並行して、アメリカの投資アプリ「Robinhood(ロビンフッド)」などが広まり人気を博しているようです。今回はこうした投資方法がどんなものか、また投資の上ではどんなことに注意すべきかをまとめました。

「YouTubeで紹介された株を買おう!」イナゴ投資家になっていない?

株式投資を始めたばかりの人が最初に「どの銘柄を買うべきか」の答えを求めるのは、インターネットでしょう。新聞やニュースなどは重要な情報源ですが、手っ取り早く最新の情報を得られるネットは株式投資には必要不可欠と言えます。

近ごろは簡単に投資ができるアプリが普及してきたおかげで、丹念な調査をすることなく、チャートの動向だけで売り買いの時期を決めて短期的な売買を繰り返す人が急激に増えていると言います。

こうした大勢の個人投資家が“ある銘柄”の値上がりするにおいに群がって買い尽くし、高騰したら売り尽くして逃げていくので、「イナゴ投資家」と呼ばれます。

イナゴ投資家は危険なもの?

イナゴ投資家が絡んだ銘柄のチャートは短時間で急騰と急落をし、塔のような形状になります。これを「イナゴタワー」といいます。上昇傾向にある株を買うのは間違いではないですが、上がり始めてから手を出すと、買った時期によってはたちまち暴落を始めることもあり大変危険です。

イナゴタワーでは先に底値近くで買った人だけが大きく得をして、後から買った人はさほど儲けがないか損をすることになります。「インターネットで調べて株をやっているけれど、さっぱり儲からない」という人はイナゴ投資家になってはいないか、今一度振り返ってみましょう。

米・ロビンフッダーが米国相場の上昇を手伝った?

コロナ禍で3月に急落したアメリカの株式市場はその後V時回復し、少なくとも8月くらいまでうなぎ上りに上昇を続けました。関係者の間では「Robinhood」のような投資アプリを使う「ロビンフッダー」が投資市場に参入した影響である、と話題になっています。

「ロビンフッダー」とは何者?

ロビンフッダーとは、アメリカのフィンテック企業「Robinhood」が提供するスマホアプリを使って株式売買を行う個人投資家のことを指します。新型コロナウイルス感染症の流行によって、仕事にも行けず外出もできない若者を中心に急激に利用者が増加しており、2020年第1四半期で300万の新規口座開設があったといいます。

アメリカでは大人1人当たり1,200ドルの給付金がありました。失業者にはさらに上乗せで給付があったため、コロナ禍以前よりも潤っている状態になった人も多く、なおかつ外出ができないのでお金の使い道がありません。こうした給付金が、アプリの登場によって株式市場に流れ出すという動きが出てきたのです。

ロビンフッダーの特徴とは

ロビンフッダーは20~30代の若者が中心だとされています。彼らの中には株式投資の初心者も多く、“何か”で目にした人気銘柄に群がる傾向があります。

人気銘柄には「フェイスブック」や「テスラ」など業績好調な有名銘柄のほか、間もなく破産もしくはその予備軍であるとの情報が流れて下がりきったような株もあります。

たとえば2020年6月には米レンタカー大手ハーツの株が暴騰しました。ハーツ社はコロナ禍の影響を受け5月に連邦破産法11条の適用を申請しており、本来買うべきではないはずなのですが、下がりきったところで買ってみんなで暴騰させたところで売り抜ける現象が起こったのです。

そして、こうした危険な投機ゲームの渦に、初心者の若者が巻き込まれているのも事実です。ロビンフッダーたちの登場は、株式市場が活性化するので歓迎される現象である一方で、心配される一面も持っています。