最後に、『感覚ミュージアム』という施設にも訪れた。館内に入る前から、ゲームのメニュー画面みたいな、電子音のようなサウンドが流れている。

入館料を払って進む。撮影が可能なのは、フロント周辺までだ。そこには楽器のようなものが置かれていた。いや、それはいろんな形の楽器だった。自由に叩いたり、弾いてもいいとのことで、それぞれ音を鳴らしてみた。わあ、すごく楽しいぞこれ。そうか、感覚ミュージアムというのは、音のミュージアムなんだ! と思って、そこから撮影禁止のエリアに進んだ。

「こちらからどうぞ」と案内されて、いざ入場だ。すると、なんと、いきなり暗闇の世界が待っていた。え、どういうこと? どうやら手すりを持って進むらしい。そして、何か穴があったら触ってみて、と。怯えながら進む。やがておそらく穴を見つけた。触る? うん、触るしかない。うわあっ。人の手だ。動かない、模型だ、良かった。でも、ちょっとお化け屋敷みたいだ。そのまま進む。ジャラーン。わわっ、ピアノの鍵盤だ。今度は光った!

視覚のない世界で、いつの間にか触覚に神経を研ぎ澄ませていた。
今度は鏡張りの空間が現れて、しかも眩しいので、ここはどこ? 私は誰? となった。さらに砂浜の影、水面の影、いろんなものが揺れている世界も待っていた。それぞれ、次のステージに着くと、係の方がいつの間にか立っていて、でも、具体的な説明はせずに、「次はこちらです」と、自然に自分が試されている心地だ。何が起きるかわからない。そして、触覚や視覚だけではなく、嗅覚の世界もあった。最後には瞑想できる広々したドーム型の空間で、仰向けになった。光がゆったり揺れ動く。
そう、ここは、感覚ミュージアム。ぼくもどっぷり、感覚が解放された自分へといざなわれたのであった。面白かったし、一人で来てしまって、なんてもったいないのだろうとも思った。友人や、家族で訪れてたら、すっごく面白いなあと思う。細かいことは調べずに、感覚で訪れて。