うーん、リアリティとは?

 で、なんだかんだでマッサージ店を訪れていた西条が京子ちゃんに拘束されて、ナイフで脅されて、危機一髪助かって、ハッピーエンド。このドラマ、謎解きがおもしろい回もあったんですけど、今回はもう、今回はもうね。どうにも御し難い。

■「変人たち」というタイトル

 けっこう最初から、ドラマタイトルの「警察署の変人たち」という部分に違和感はあったんです。なんか、主人公たち3人を突き放している印象があるな、と思ってたの。

 で、前々回あたりで西条を容疑者にしてみたり、今回は拘束される被害者にしてみたりと、その「ギーク」っぷりを活躍につなげることよりも、本人を揺さぶることが多くなってきているんですよね。

 それで今回、西条に対して「(ひとりが大好きとか言って)本当は愚痴を言える人が必要なんじゃない?」みたいなことを言う人が出てきた。西条も、安達さんに愚痴を言ってスッキリしている様子が描かれた。

 これ、ギークな西条が他人に心を開いていけるようになっていく、ということをやろうとしているドラマなのかもしれないと、今回気づいたんです。ひとりでジグソーパズルなんかやってる性格の暗い陰キャ女が、心を開いてイケメンと恋愛できるようになっていく。それって素晴らしいことだよね、みたいなことを言いたいのかもしれない。

 そう考えると「変人たち」というワードに込められたニュアンスも理解できるんです。要するに、西条的な生き方を否定してるんじゃないのか。西条を矯正しようとしてるんじゃないのか。

 まだちょっとそう断言する段階ではないけど、そうだとすると、だいぶ人に優しくないドラマだよなあ。優しくないよ、そういうの。

(文=どらまっ子AKIちゃん)