◆最後は親たちが見守る中、決意表明

スピーチ用マイク
 最終プログラムの締め括りは「新入社員の決意表明」。

「泣き腫れた酷い顔でしたが、最後はしっかり気持ちを伝えたいと思いました。その時私は、『長く勤め、いつかチームのリーダーとして生産性の高い仕事がしたいです』と言ったのを覚えています」

 あれから7年が経ち、今の心美さんは管理職へと昇進したそう。

「当時の目標通りに部下を持ちチームワークを大切にしながら日々仕事ができていると感じています。最初は、家族同伴入社式には反対でしたが、今となってはいい思い出です。

 会社の戦略なのかもしれませんが……両親が入社の角手を祝ってくれた分、長くしっかり働かなければという気持ちはありますね」

 賛否両論ある「家族同伴入社式」。社会人になって家族が同伴するのは照れ臭くても、やってみると意外にいい想い出になるのかもしれませんね。

<取材・文/maki イラスト/ズズズ@zzz_illust>