◆変化をしない良さもある

――金さんは、ご自身が中国出身である上に、仕事で海外の方々とたくさんのやり取りをしていらっしゃいますよね。そんな中で日本人の特性は、どんなところにあると思いますか?

金さん(以下、金)「日本の方は、勤勉で真面目です。変化をしたがらないので、引かれたレールの上で物事を行うことも多いですが、だからこそ、ものづくりやサービスが素晴らしいのだと思います。

私たちの企業も、ものづくりをするので分かるのですが、日本ではものづくりの工程のひとつひとつをすごく大切にしています。ネジひとつにしても丁寧で、それは引かれたレースの上でやるから可能なことだったりもします」

ものづくり
写真はイメージ(以下同じ)
――海外の場合は違うのでしょうか?

金「海外でも色々な場合があるので一概には言えませんが、『同じ形になるからいいじゃない』と、工程を少し飛ばしたりして、結果として雑になるケースもあります。良く言えば、効率化して行うことが多いのです。『変化をしたがらない』という日本人の特性は短所にもなりますが、長所にもなります。変化をせず、守るところを守るのは、日本のものづくりの素晴らしさの理由だと思います」