彼の実家で待っていた、謎の女性
「年末、彼の実家のある中国地方の某県へと向かいました。私はルンルン、彼もご機嫌で、その時までは本当に幸せだったんです」
出迎えてくれたのは、Sさんの両親と祖父母。はじめは大歓迎されました。
ただ、ひとつ気になったのは食卓を一緒に囲む、一人の家族ではない人物の存在。R子と名乗った彼女は、ひいき目にいって素朴、悪く言えばダサい、同年代くらいの女性でした。
「初めのうちは妹さんかな? と思ったんですけど、どうも違うっぽい。で、食事が終わると、お母さんが突然おかしなことを言いだしたんです。『さあ、これでいい思い出も出来たでしょう? そろそろ、お帰りになられたら?』って」
Sさんの両親と祖父母の目は、まったく笑ってなかったそうです。頭が「?」でいっぱいの結子さんはSさんの顔をチラリ。Sさんは顔面蒼白だったといいます。そしてR子さんを見ると、彼女は意地の悪い表情でニヤニヤ。
いったいどういうことなのか分からぬまま黙っていると、Sさんが急に席を立ち結子さんに「帰ろう」と告げました。