要するに、どいつもこいつも不審なんです。この「3人とも平等に怪しい」という構図を作ったことが、まずすごいんですよね。完璧に、3人についての情報の出し方をコントロールしているということです。与えられた情報の量は蓮水花音が圧倒的に多くて、健流についてはほとんどない。動いてるところすら、あんまり見た記憶がない。それでも見る側に「3人が平等に怪しい」と思わせてしまう。

 美来ちゃんは蓮水花音に連れまわされていたのではなく、しばらく面倒をみてもらっていたのでした。蓮水花音はスーパーで万引きして捕まっていた美来ちゃんにご飯を食べさせて、家に泊まらせてあげていた。灰川邸での日々のことも話したし、灰川邸に連れて行ったりもした。美来ちゃんは蓮水花音の灰川邸での話に魅了され、手首に「リッカのマーク」のタトゥーを入れたという。蓮水花音は美来ちゃんをシェルターに預け、灰川の故郷へ向かった。

 冴木は灰川の故郷で、蓮水花音に「一緒に逃げよう」と言う。そこに疵男が現れ、冴木に襲い掛かりながら「花音、逃げろ!」と叫ぶ。え、知り合いなの?

 で、次回へ。

■サービス精神と整合性

 第1話の冒頭で提示した「リッカのマークの少女」の謎を一気に明かしてきた今回。この作品はこうやって、見ている側が想定しているより早いタイミングで謎を全部明かしてくるんですよね。ささっと明かしておいて、新たな謎を置いていくということをやってる。謎解きとして、純粋にスリリングでダイナミックなんです。必要以上に視聴者側に謎を残さない。残っている謎の量にもコントロールが効いていて、どんどん処理していくことで牽引力を生んでいるように感じます。第4話で暴行事件の犯人が冴木だったことが明らかになったあたりから、もうずっとおもしろいんです。

 ただ今回、いくつか「整合性だいじょうぶかな?」と感じさせる部分がありました。

 美来ちゃんがリッカのマークを彫った時期ですが、記者・森がいつも見ていた美来ちゃんのインスタの写真では、すでにマークは入っています。そしてこの写真は、マル横で撮影されたものに見える。