◆葬儀中、母の様子がおかしい…

 さて、予定通りにお通夜が終わりほっとしていた明子さんでしたが、事件は告別式で起こります。

 告別式が後半に差し掛かってきた頃、明子さんは隣にいた母親の身体が小刻みに震えていることに気が付いたそう。

「悲しみで泣く身体の震えと何だか違う気がして……。母に、『大丈夫?』と聞いたんです。そしたら、母は私の問いには答えずにパっと立ち上がって、参列者のほうへ歩き出しました」

◆前妻と後妻のバトルが勃発

 そして明子さんの母親は、参列していたある女性の前で止まります。

「後から親戚に聞いた話なんですが、その女性はかつて父と婚姻関係にあったいわゆる父の前妻だったそうです。

 私は、父に離婚経験がある事をそれまで知らなかったので……。あの時は、本当に何が起きているのか、まったく分かりませんでした」

 明子さんの母親は、声を震わせながら女性に「あなた、よくここに来れたわね。散々、哲也さんに苦労かけておいて」と言ったそうです。

 すると女性は「最後に一目でいいからお願い! てっちゃんの顔が見たいの、お願い」と母に頼むように言います。

 しかし、この前妻の願いを母は拒否。そして、顔を真っ赤にして「もう、いい加減にして! 哲也さんは5年も病気と闘ってきたの。哲也さんは私だけの夫なの」と叫びました。