華やかに見えるプロ野球だが、主力選手か注目の新人が出場する時ぐらいしかメディアで報じられないのが2軍戦。余程の野球ファンでなければ足を運ばないであろうファームの試合は、なかなか過酷だ。

「2軍の試合は球場がいろいろな意味でスゴい。カープの2軍球場の由宇はとんでもない山奥にありますし、ヤクルトの戸田は河川敷で、台風が来る度に水没しています。ロッテの浦和は、親会社のロッテのお菓子工場の横にあり、雰囲気はほぼ草野球場。入場料は無料で出入り自由です。

 こうなると高校野球の強豪校の方が、よほど良い環境で野球をしているかもしれません。ドサ回りのように地方で試合をすることもありますが、これがまたハードなんです。着替える場所がなくて通路で着替えたり、シャワーがなくて試合後に汗を流せないことはザラ。かつて埼玉県の町村部で行われたイースタンの試合を見たことがありますが、地元はお祭り騒ぎで、グラウンドの横でBBQをやっており、選手はもうもうと煙が立ち上がって肉を焼く香りがプンプン漂う中でプレーしていました。

 2軍戦は選手との距離がとにかく近く、サインをもらったり、写真を撮ったり、声を掛けたりするのは簡単。未来の主力選手を探す楽しみもありますが、球場によっては日差しを避けるものが一切ないので、真夏の試合観戦は周到な準備が必要です。選手たちに目を向ければ、2軍で真っ黒に日焼けするのは勲章ですが、“万が一”が起きてからでは遅い。高校野球が猛暑対策に乗り出すなら、年に100試合以上をこなすファームも真剣に対策を考える時期だと思います」(同上)

 いっそ高校野球のように、早朝から試合をやるのもアリか。