◆「遺言書」を準備しよう 

遺言書
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 しかし、何の準備もしていないと、甥や姪に財産は渡りません。すでに述べたように、法律では兄弟姉妹に相続権があるからです。そのため、甥や姪に財産を渡したいと考えている人は、準備を整えておく必要があります。

 それでは、具体的にどのような準備をしておけばいいかというと、遺言書を残しておくことが重要になります。

 遺産の分配は法律で決められていますが、遺言書があれば、原則として遺言書の内容が優先されます。

 法律では、法定相続人に対して「遺留分」という権利を認められています。遺留分とは、法定相続人が最低限受け取れる相続財産のことで、遺留分を満たさなかった額まで現金を請求することができるようになっています。

 たとえば、相続人が子ども2人の場合、相続財産の4分の1が遺留分となり、遺言書で財産を相続させないと書かれていても遺留分を請求することができます。

 ただし、遺留分が認められているのは配偶者、子ども・孫、両親・祖父母だけで、兄弟姉妹に遺留分はありません。そのため、遺言書に「遺産は、甥と姪に遺贈する」と書いておけば、兄弟姉妹を飛ばして自分の意思を実現させることができます。