◆「この人との結婚はムリ」と思うきっかけに
「それでもすごく神々しい雰囲気で登ってきた甲斐がありました。日が昇りきった後になりましたけど、山頂にもなんとかたどり着くことができたので。ただし、彼氏が『頭が痛い……』と高山病っぽい症状を訴えていたので下山をすぐに始め、そこから五合目まで一気に降りました」
富士山まで彼氏の車で来たそうですが、彼氏はアクセルやブレーキを踏むと足が痛いと言ってきたため、代わりに梨加さんが運転して帰ることに。
「自分のことしか考えておらず、このときばかりは殺意が湧きました(笑)」と振り返ります。
「しかも、彼氏の家から私の家は電車を使っても30分ほどかかるのですが、運転できないから結局送ってくれず、私は電車を乗り継いで帰宅。
この後もしばらく彼氏との関係は続いてましたが、完全に惰性で付き合ってた状態でした。富士山に登る前は結婚相手としても意識してましたが、登った後はこの人はないなって。判断するきっかけを与えてくれたので、それはよかったかなと思っています」
人は過酷な状況に置かれると人間性が現れるもの。登山を通じて彼氏の人となりをチェックしてみるのもアリかもしれませんね。
<文/トシタカマサ イラスト/朝倉千夏>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。