そんなトークライブだが、さすがは馬山軍団。「録画、録音、口外はNG」という通達が出されるほど、これまで表に出ることのなかったヤバい話や極秘情報が飛び交った。誰もが大好きなギャラ話では、結構な金額をもらっていたことが判明した“弟子“に、親方”おむすびが、すかさず「唐揚げを奢って!」と懇願。さらに、「実は複数の超人気プロレスラーにも出演の打診がいっていた」ことや「過激すぎて削除された脚本の内容」など、翌日には5ちゃんねるにスレッドが立ってもおかしくないほどのスクープやゴシップから、「(共演した)忽那汐里は顔が恐ろしいほど小さく、差し入れがオシャレだった」という小ネタまでが、間髪入れずに高い熱量で語られていった。

『サンクチュアリ』は、2年半に及ぶ制作期間ゆえ、役者たちの拘束時間が長く、肉体も酷使された。そのため、酒が入ったトーク中には、誰の口からも愚痴がこぼれていた。だが、同時にそれらを笑い話に昇華できるほど、良作に出演し、世に送り出せたことに皆が満足しているようで、馬山部屋の面々は『サンクチュアリ』以降、仕事が順調だという。

「オーディションなしで役が決まるなんてことはそれまではなかったのに、『サンクチュアリ』効果なのか、最近は指名での仕事も増えました」と語る室田は、「実はオープニングテーマの相撲甚句も僕が歌っているんですが、最近は歌手としての仕事も増えて、ある映画のオープニング曲も担当することになりました。MCと歌手と相撲ができる俳優は僕くらいなんじゃないですかね?」と意気軒昂。数々の苦難を笑いにできる背景には、『サンクチュアリ』が自身に多くの変化を与え、そこに行き着く過程を投影してくれたという充実感が満ちているようだ。

「あの作品は、僕たちにとってはドキュメンタリー映画だったと思っています」(室田)

 ところで、誰もが気になる『サンクチュアリ』の続編はあるのだろうか? 残念ながら現時点では、そうした情報は馬山部屋の面々の耳には入ってきていないようだが、彼らの誰もが続編を望み、実現を信じているという。