昨年、Netflixで全世界配信され、大きな話題を呼んだ『サンクチュアリ -聖域-』。角界を舞台にしたこのドラマで、主人公の“敵役”として個性的な演技を見せた馬山部屋の面々を覚えているだろうか。

 その馬山部屋の師匠と弟子たちを演じた役者たちが一堂に会し、8月19日の夜にトークライブを開催。劇中以上の悪態と愛嬌を振りまきながら絶妙なトークを披露し、観客を大いに沸かせた。

 会場となった新宿ロフトプラスワンのステージに登壇したのは、馬山親方役のおむすび、馬剛役の室田真宏、馬狩役の岩元駿介、馬の若役の将軍岡本、馬井口役の井口隆洋。ゲストとして、『サンクチュアリ』の監修を務めた維新力も登場。元関取の維新力が小さく見えるほど、馬山部屋の5人は巨体の持ち主だが、トークは軽妙かつ快活だった。

 一人が「俺たち悪役だったから、アンチからの悪口のDMが山ほどきた。ヒールを演じる人気俳優の気持ちがわかった」と言えば、別の一人が「と思ったら、俺たちの裸を見て、世界各国のゲイの方々からメールが来て困った!」と切り返すなど、同じ釜の飯を食ってきただけあってチームワークは抜群。特にMCを務めた室田は、元吉本芸人だけあって、トークを忘れて、差し入れのドーナッツを食いまくる“親方”おむすびに容赦ないツッコミを入れるなど、見事な会話の回しぶりで笑いを引き出していた。

『サンクチュアリ』が配信されたのは昨年5月だが、いまだにその人気は衰えず、今年2月には、猿将部屋の猿谷役を演じた澤田賢澄と猿空役の石川修平、そこに室田も加わり、トークライブを行った。そのライブが好評だったため、今度は馬山部屋のメンバーが集結してライブをしようということになったという。

「今でも、ことあるごとに『パート2はやらないのか?』と聞かれます。こんなにも『サンクチュアリ』が愛されているのかと再認識する機会も多く、また、悪役だった馬山部屋力士からの目線で見えた現場の空気や抱いていた想いなどをファンの方々に伝えたいと思い、今回のライブを開催しました。猿将部屋も馬山部屋も関係なく、本当に部活のように毎日、撮影のために相撲稽古に励んだことを思い出しました。役作りのための増量なども非常にしんどかったですが、青春していたなぁと思います」と室田は語る。さらに、猿谷役の澤田さんが今年4月に脳幹出血で倒れ、現在も闘病中であるため、「澤田さんへのエールと見舞金を送ることも、今回のライブの大事な目的のひとつでした」と付け加えた。