◆旅のマイルール

――ひとり旅って、それが良いですよね。ちなみに、ひとり旅をする時に決めているマイルールはありますか?

まえだ:大事にしていることは、私が虚弱バックパッカーだからということもありますが(笑)、自分の体の調子に敏感になることです。昔はつい楽しみすぎて、体がついていかず、旅先で病院に行ったり入院したりすることもありました。

キルギスでは、自分に打ってもらう点滴を売店に買いに行き、中国では病室の外からお粥売りが来ました。いろいろな国の病院事情を知ることができましたが、体はつらいし、迷惑も掛けたし、もうこりごり。今は自分の体力がどのぐらいかわかっていますし、年齢も重ねてきました。基本的に旅先では街の中心に宿を取って、日中はちょくちょく宿に帰り、“疲れる前に休む”ようにしています。

――なるほど、自由に行動することを大切にしているからこそ、自分の体力の部分は冷静に判断されているんですね。しないようにしていることも教えてください。

まえだ:当たり前かもしれませんが、危険な場所へは近づかないことです。実際に取っている行動としては、外務省が発信している危険情報を前もって調べて行く。それでカバーできない情報は、ガイドブックやSNSでパターンを知っておく。その国への深夜早朝の発着は避ける。どうしても遅い時間に到着する場合は、空港内で野宿するか、ホテルに送迎を頼む、などでしょうか。「今まで旅行してきて、日本に無事に帰って来れたのは奇跡だ」と思うくらい、慎重になることが大事だと思っています。

――危険なこともありますもんね。

まえだ:あと、他の国にお邪魔している身なので、失礼なふるまいをしないこと。その国のタブーも調べるようにしています。漫画にいいことだけ書いて、危険に関することはスルーするというのも無責任かもしれないと思い、注意喚起も含め、『みんなの旅の怖い話』という漫画を以前にkindleで出しました。

例えば、人のお家にお邪魔したときに、「この食べ物おいしくない!」と言うのは失礼じゃないですか。偉そうな態度をとったら、次に来る日本人が困るかもしれません。だからこそ、現地の人に失礼なことはしないようにしています。

<取材・文/瑞姫>

【瑞姫】

1994年生まれ。奈良県出身。エンタメメディアでの芸能ライターとしての経験を経て、フリーランスのライターに。主にエンタメ・トレンド系の取材・インタビューを中心に、恋愛コラムの執筆を行っている。フォロワー数4.5万人のTwitterでは恋愛・美容系について発信する、インフルエンサーとしても活動中。漫画と散歩と猫が好き。

Twitter:@mizuki32k