「男女ともにサッカーではメダルを獲得しておらず、出場選手の生出演もなかったのに、元選手が3人も出演しているのは、少々違和感がありました。男女サッカーのいずれかがメダルを獲得したケースを想定していたのかもしれませんが、制作サイドの読みは外れてしまったと言えるでしょう」(同)

 そのほかにも、元バレーボール選手としては川合俊一、狩野舞子が出演。五輪出場アスリートとしては女子バレーの宮部藍梨と井上愛里沙、女子バスケの高田真希、馬瓜エブリン、宮崎早織も出演していた。

「女子バレーや女子バスケの選手は、以前から『ジャンクSPORTS』によく出ていましたが、制作サイドがメダル獲得をある程度は想定していたのも間違いない。結局その読みも外れてしまったわけですが、番組では女子バスケの選手たちがひな壇での“ガヤ役”を担う場面も多く、メダルを獲得した他の競技の選手たちとのコントラストが切なく見える部分もありました」(同)

 オリンピックの放映権料は、NHKと民放連とで構成される「ジャパンコンソーシアム」が支払っており、放送する競技はNHKと民放連とで割り振られる。より多くの放映権料を支払っているNHKが人気競技の中継を担当することが多いという。

「NHKが中継しない競技が民放連に割り振られ、それらの競技を民放各局でさらに割り振っていくという形。当然ながら各局は、注目度が高く視聴率が望める競技を放送したいわけで、単純に認知度の高いスポーツが放送されやすくなります。サッカー、バレー、バスケは人気も高いし、スター選手もいるし、テレビ局がそちらを選びたいのは仕方ないとはいえ、今回のパリ五輪ではチーム球技は総崩れだったことを考えると、認知度や注目度だけでチーム球技にベットするのは危険。やはりオリンピックではメダル獲得の瞬間こそが盛り上がるわけで、その瞬間がもっとも多く訪れたレスリングの中継をしなかったのは、失態と言わざるをえない。さらに言えば、高騰する放映権料を支払えず、放送枠が限られてしまうという点では、地上波の限界も感じます」(同)