編集S 巷の評判もすごいですね。ギャラクシー賞いくんじゃないかって。

新越谷 肉まんの絵のあたりから、ちょっと姿勢を正してしまいましたけど、「168÷6」で「6×9」をたくさん書きだしたあたり、不穏から爆笑そして感動と驚嘆という、丸ごとミステリー映画を見たくらいの満足感がありました。

編集S フルポン村上が出てきた後の「教育とひらめきの対比」みたいなところもおもしろかったですよね。

新越谷 学校の先生をやってる人が見たら、感じるところがあるんだろうなと思いました。自分たちの襟を正さなきゃいけないって、思うよね絶対。

編集S 大悟が「遠回りが好き」っていう話も。

新越谷 そうそう、全部においてそうなんだろうなと思わせるエピソードだった。料理もレシピ知らないで作る企画やってたし、漫才も、大喜利もって考えると、全然ちがうところからアプローチして天下に近いところまで来たっていう説得力がある。それに、めちゃくちゃ的確な大悟の言葉を引き出しから即座に持ってくるポンさんの実力も。

編集S そうですね。ポンさんもよかった。

新越谷 「いいから公式覚えろよ」っていうポンさんの立場は、私たち全員が自分自身に投げてきた言葉ですからね。算数の授業で「いいから公式を覚えろ」と自分たちに言い続けてきたわけですから。

編集S そうですね。

新越谷 あと、やっぱりテレビっていいなと思ったんですよ。テレビの定番企画に大悟が当てはまってみたら、すごい果実が収穫できた感じ。こんな家庭に意味はないけど、大悟が売れてなかったら一生算数に対して真剣に向き合うことなんてなかっただろうし、こうしてたくさんの人に何かを感じさせることもなかったわけで。千鳥がテレビにこだわり続けてくれてよかったと思うし、テレ朝が千鳥に好き勝手やらせてくれてるのもよかったと思う。こういうのが見られるのがテレビなんですよね。

編集S ほんとにそうですねえ。

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