◆舞台の楽しさを知ってもらうきっかけ

<ミュージカル時代劇>映画『邪魚隊/ジャッコタイ』
<ミュージカル時代劇>映画『邪魚隊/ジャッコタイ』
――舞台で活躍してきた佐藤さんとしては、映像と舞台の架け橋のような役割を担いたい想いもありますか?

佐藤:みなさんにとって、舞台のほうが少し難しい趣味だなという気がするんです。自分自身もそうですが、子どもの頃に親と一緒に映画館に通いましたし、映画は多くの方にとっても身近ですよね。

その点、舞台は最初の壁が分厚い。東京、大阪でしかやっていない場合など、時間と場所を確保した上で観ようという意思がいるんですよね。なので今回、普段は映画・ドラマしか観ない方にも、舞台の楽しさを知っていたただくきっかけになればいいなと思っています。

――鱗蔵役を等身大で演じたと言っていましたが、役を表現する上で大切にしていることはありますか?

佐藤:最近自分の中でお芝居をする上でのテーマがあって。そもそもお芝居を“日常の拡大解釈”だと思っているんです。日常を誇張したものがお芝居。だからあまりオーバーにやってしまうとチープになる感じが最近しています。観る側がリアリティを感じるには、お芝居をオーバーにしすぎてしまうと、ファンタジー寄りになってしまう気がするんです。人間っぽく演じるために、出しすぎないことを意識しています。