◆自分の思うがままに演じられた

佐藤流司さん
――演じた鱗蔵は、邪魚隊のリーダーであり、スリ師でした。

佐藤:おそらく年齢も近いですし、等身大で演じられました。時代劇と銘打っていますが、ならず者なので所作を美しくする必要はなく、自分の思うまま、足かせみたいなものなく演じられたと思います。

――いわゆるダーク・ヒーロー的なキャラクターですよね。

佐藤:そうですね。俺はあまり正統派が得意ではなかったりするので(笑)、どちらかというとそういう役柄のほうが得意ですかね。

――また、今回の作品は「東映ムビ×ステ」という、映画と舞台が連動したプロジェクトで、8、9月には舞台も上演されますね。

佐藤:一度演じたことがある役なので、より長い時間、自分の役と向き合うことで芝居や役作りに深みが出るかなと思います。映画は舞台よりも時と場所を選ばないエンタメであり、一方で舞台はその場その場の臨場感、役者の気迫みたいなものをより間近に感じることができる場所だと思うんです。そのふたつを同時に体感できるものが、このムビステの強みですね。