◆心の不調があまりにつらく、精神腫瘍科へ

 思えば当時、抗がん剤の影響で生理が止まってしまい、ホルモンも大きく乱れていたのかなと思います。もともと心配性でしたが、必要以上に不安が大きくなり、飲み込まれてしまったのだと思います。

 自分がしたことは、改善しようとしていた夫婦関係にもトドメを刺してしまう行為だったのかと思うと食欲もなくなり、フラメンコ仲間にも心配されるほどみるみる痩せて行きました。

 いよいよ引っ越しとなり、その日はなんとか引っ越しを終えましたが、せっかくの新居でもふさぎ込むことが多くなりました。自分の願いが叶ったのに、気分は絶望的で、何もやる気が起こりません。毎週の抗がん剤も、足を引きずりながらなんとか通う状態でした。

 あまりに気分がつらくて医師に相談したところ、精神腫瘍科に相談してみてはどうかと提案を受けました。がんに罹患したことで気分が落ち込んでしまう人に向けメンタルサポートをしている科。

 わたしの悩みは夫婦関係でしたが、この気分の落ち込みは抗がん剤によるものもあるだろうということで、抗がん剤を点滴している時間を利用して、カウンセラーの先生と話をさせてもらうことになりました。