◆がんを機に直面した“もう一つの問題”
そして、フラメンコの発表会まで気を張っていた糸がプツンと切れたのか、気分が落ち込むことも増えてきました。
実は当時、夫婦関係に悩んでおり、そのことにも正面から向き合うべき出来事がありました。
わたしは割と社交的な性格ですが、もともと人の顔色をうかがってしまう性格で、結婚当初から無口な夫が何を考えているのかはかりかねることが多かったのです。
家事が苦手なわたしの劣等感や子育てへの価値観の違いなど、結婚後からじわじわと溝ができていた夫婦関係。「きちんとしなければ」という気持ちがあるのにルーズな自分の性格を責めてしまい、罪悪感で息が詰まるような気持ちになることもありました。
言いたいことを飲み込んでしまうことも多く、思い切って伝えれば伝えたでケンカになって平行線。口を開けばケンカになるので、ここ数年はお互いにあまりケンカに発展するようなことは話題に出さないようにしていました。
なんとか夫婦関係を改善したいと、いろんな本を読んだり、自分のことについて勉強したり、心理学の本を読んでみたりと自分なりに努力していましたが、そこは相手のある話。さっぱりうまくいきませんでした。
そしてまったく科学的根拠はありませんが、わたしの感覚の中で、そんな結婚生活のストレスも今回の病気につながったのではないかと考えるようになりました。