ジッグラトと日本の神社の共通点
ドゥル・クリガルズをはじめ、メソポタミアのジッグラトはどれも高い場所に設置されました。長い階段を上った先に神殿や拝殿を建てる文化は、日本の神社とメソポタミアのジッグラトくらいしかなく、この階段の様子も日本の神社に似ているように感じます。
こちらは古代の出雲大社本殿の復元模型。
キリスト教会、イスラムモスク、ヒンドゥ寺院もユダヤシナゴークも仏教の国でも、一般人が祈る場所、神を祀る場所を特に高い所には置いておらず、道と同じ高さか、階段があっても10段や20段。シュメール人はじめ数々の古代キングが建設したメソポタミアのジッグラトは、ここに限らず必ず長い階段の上に神殿があります。
その他のジッグラト
ジッグラトはイラクにもう一つ、イランに一つ、原型に近いものが存在します。特にイランのジッグラト(チョガ・ザンビール(下記の写真左)は大規模に修復されているので、当時の建物により近いと考えられますが、何しろ古代のものですので実際はどのような形状をしていたのかは明らかになっていません。下記の写真右はイラク南部ウルにあるジッグラトです。
バビロニアのバベルの塔も、実際はジッグラトだったのではないかといわれています。
古代の風を感じる
ドゥル・クリガルズの基壇は登ることができます。この基壇は、故フセイン大統領の命により修復されています。ココに限らず、彼はこれらメソポタミア文明遺跡の大々的な修復作業を推し進めたそう。ドゥル・クリガルズはバグダッドから距離があるため、周囲に高い建物もなく視界を遮るものないため、基壇上から当時のバビロニア人と同じ風景を観ているのではないかと思わせる風景を眺めることができます。
ドゥル・クリガルズの行き方
ドゥル・クリガルズのジッグラトの現在の地名は「アカル・クフ」といいます。バグダッドの中心部から車で30分前後。市内はトラフィックが多く交通渋滞がヒドイですので、一時間ほどかかる場合もあります。タクシーの場合は往復20,000〜25,000IDR(イラク・ディナール)およそ2,200円〜2,700円を目安に交渉すると良いと思います。中心地から離れ距離があるため、オートリクシャーでは断られることが多いです。
入場料
イラク人以外:25,000IDR(イラク・ディナール)およそ2,700円(2022/5現在)