◆弥生さんは、とにかく「ご飯食べにこない?」と言う人なんです(笑)

左から、藤澤勇夫監督、馬場民子プロデューサー
左から、藤澤勇夫監督、馬場民子プロデューサー
――実に40数年来の友人である星野夫妻に、最初に会ったときの印象を教えてください。

馬場民子:この人(藤澤)と結婚する前に私が知り合いました。家の近所に『バッハ』という、作曲家のバッハしか流れていないクラシック喫茶がありました。みんな自由に本を読んだり、原稿を書いていたり。奥の厨房では、料理好きの弥生さんがビーフシチューなど、料理を作っていたんです。

顔見知りでしたが、特に会話をするわけではありませんでした。すると、経堂に私の従兄弟がやってきて、その紹介で親しくなりました。知り合いになると、もう次の日から、ご飯に誘われました。弥生さんは、とにかく「ご飯食べにこない?」と言う人なんです(笑)。

――映画の中で描かれているように、最初からご飯が多めだったんですね。

馬場:ご飯を食べさせることが大好きな人です。食べ物を大事にする方でもあります。

藤澤勇夫:絶対に食べ物は無駄にしないという哲学を持っている人です。たくさん作ってくれるのは嬉しいのだけれど、全部平らげなくてはいけません(笑)。

馬場:なんと言うか、山女なんですよ。