イスタンブールのヨーロッパ側といえば世界遺産に登録されている歴史地区が有名ですが、ヨーロッパ側の観光地の中でも穴場といえるビュユクチェクメジェも魅力満載なエリアです。大きな湖とマルマラ海が交わるビュユクチェクメジェのおすすめスポットをご紹介します。

ビュユクチェクメジェとは?

ビュユクチェクメジェ 海岸通りとマルマラ海

ビュユクチェクメジェはトルコ最大の都市イスタンブールの西部、マルマラ海沿いに位置する自治体です。地理的に高低差があるため丘の上から見える海の景色は素晴らしく、丘の下では心地よい海風を近くに感じることができます。ビュユクチェクメジェの歴史は古く、アティラというギリシアの植民地であったといいます。オスマン帝国時代初期は土地の大部分は空き地や森林でしたが、時代が進むとバルカン半島やコーカサスから移住してきた人たちが定住し、人口はイスラム教徒のほかギリシア人やブルガリア人、アルメニア人、ロマ人で構成されていました。現在は工業地帯や住宅街がありますが、イスタンブールの中でも自然が残されている数少ない自治体で、ビュユクチェクメジェ湖とマルマラ海が交わる大自然が魅力です。週末にはその開放的な空気を味わおうと多くの人が訪れます。

おすすめスポット1:文化公園

ビュユクチェクメジェ 文化公園

ビュユクチェクメジェの憩いの場といえば文化公園です。毎年5月に開催される国際文化芸術祭の会場となっており、そのほかラマザン(断食月)のイフタールや野外劇場での催しなどが執り行われる場所でもあります。普段は散歩したり、ピクニックを楽しんだり、ベンチに腰掛けて新聞を読んだりしている地元の人が利用しており、のどかな雰囲気が漂っています。

おすすめスポット2:スルタン・スレイマンの橋

ビュユクチェクメジェ スルタン・スレイマンの橋

文化公園から延びている特徴的な形をした橋はスルタン・スレイマンの橋です。名前からも分かるように、この橋はオスマン帝国を最盛期に導いたスレイマン大帝のために造られたもので、設計を手掛けたのはトルコ史上最高の建築家と評されるスィナンです。スィゲトヴァール遠征へ出向く際に軍がビュユクチェクメジェ湖を渡るのが困難だったことから、スレイマン大帝がスィナンに橋の建設を命じました。スレイマン大帝は遠征中に陣没したため、橋の完成を見ることはありませんでした。スィナン曰くこの橋は「いくつもの橋を造ってきたが、この橋は傑作のひとつである」だそうです。