◆離婚を予想していた妻の女友達

 結婚生活を続けるのは難しいと感じた定岡さん。しかし凛子さんの人格のことを持ち出して彼女に話を切り出せば、逆上して修羅場になることは目に見えている。そこで子供のことに話題を絞ることにした。

「こんな状態でもし子供ができても、二人でちゃんと育てられるかどうかわからない。ただでさえ君はストレスを溜めているし、と言いました。すると凛子は『そんなの、生まれてみなきゃわかんないじゃない!』とキレました。ああ……と確信しましたよ」

 何を?

「子供ができたら凛子は100%虐待します」

 猛反発する凛子さんをよそに、着々と離婚の準備を進めていった定岡さん。そのさなかに参加した、二人の出会いのきっかけともなったある定例オフ会で、定岡さんは凛子さんと共通の友人である女性数人と話す機会があった。隠していても仕方ないので、実は離婚するんだと伝えると、彼女たちは「あー……」と納得気味の顔で口を開いた。

「凛子は彼女たちに、僕と付き合いはじめたタイミングで『彼氏ができたマウンティング』を、結婚が決まったタイミングで『婚約マウンティング』を仕掛けてきたそうです」