◆旅も地方移住も、不便さを楽しむこと

『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』
――地方移住にまつわる記事って女子SPAでも人気コンテンツの1つなんですが、お2人のように“全く知らない場所を旅する”とか“今までとは違った場所に住む”ことへの憧れがあるけど、一歩踏み出せない人にメッセージがあればいただきたいです。

ひろゆき:旅の面白さを他人に伝えることはすごく難しいですよね。インターネットの写真や、YouTubeの動画でいいじゃんって言われればそれまでだし、「こいつ面白いやつなんだよ」って友達に紹介されても、面白さが伝わらないのと一緒だと思うんです。その旅の人との出会いの面白さっていうのは、やっぱり他人から伝わるものではないのかなって。

東出:旅の面白さと地方移住っていうところの共通項があるとすれば、不便さを楽しむことだと思うんです。ひろゆきさんがジョージアに行ったとおっしゃってて、ジョージアのワイン作りって、今みたいにワイナリーの大きい機械で作るんじゃなく、土中に埋める壺で醸成させるのが古代の作り方で、すごく不便なんです。でも、それでしか味わえない味っていうのがある。

この“不便なんだけど”っていうのが、旅も地方移住も一つキーワードになってると思っていて、どちらも“不便だけど、そこにしかない良さ”がある。東京の水準、コンビニが近くにあるとか、110番したときにすぐ警察が来てくれるとか、そんな便利さはない。でも、不便の中にも面白さはあるよっていうことを伝えたいですね。だから、不便を求めるポジティブな気持ちがあれば、旅も移住もできると思います。

――不便さを苦労だと思うか、違っていて面白いと捉えるか、それだけで変わりますよね。

ひろゆき:“何が足りない”という基準で考えると、多分家にいるのが最高なんですよ。でも、“足りない”ではなく、“東京にないものを見に行く”っていう考え。例えば、田舎に行ったら人付き合いが必要のない場所を選べばないですし、夜中に大騒ぎしても別に近所迷惑で全くならない。世間体的なものも気にしなくていい地域もある。

なので、「東京のここが嫌だよね」っていうのがある人には、「東京じゃないところだったらひょっとしてないかもしれないよ」というのは言えますね。

<取材・文/瑞姫>

【瑞姫】

1994年生まれ。奈良県出身。エンタメメディアでの芸能ライターとしての経験を経て、フリーランスのライターに。主にエンタメ・トレンド系の取材・インタビューを中心に、恋愛コラムの執筆を行っている。フォロワー数4.5万人のTwitterでは恋愛・美容系について発信する、インフルエンサーとしても活動中。漫画と散歩と猫が好き。

Twitter:@mizuki32k