◆自分も相手を想ってはいなかったことに気づく

 それでも、「純愛には嫌われない配慮をずっとしてて、好かれる努力はできなかった」と言葉を続ける。序盤に椿は「好きな人との人間関係は2パターンで、好かれる努力をするか、嫌われない配慮をするかのどちらかしかない」と話していた。「どうすれば純愛に喜んでもらえるのか」よりも「どうすれば純愛に嫌われないか」ということばかりを気にして過ごしていたことが、「好き同士だったけど、両想いじゃなかったなって」という発言の真相だったのかもしれない。

 実際、純愛との会話で事あるごとに「ごめん」と謝罪する椿に純愛は「『ごめん』が口癖だよね、やめたほうがいいよ」と言われ、「ごめん、楽してるだけ」「自分が悪いって思うほうが楽だから」と返答しており、純愛を想ってはいないことが透けて見える瞬間でもあった。