マイホームを検討し始めたものの、大きなお金が動くことから家の購入を現実的に考えられないという人も少なくないでしょう。今回は住宅購入を現実的に考えられるように、住宅を購入するにあたり必要な費用などをピックアップしてみました。家を買うにあたっての不安や疑問を解消するためのヒントにしてみてください。

家の購入、何歳で決める人が多い?

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住宅購入は、人生のなかで最も大きな買いものと言えます。では、何歳くらいの人が家を買うのでしょうか。一般的に住宅を購入する人が多い年代についてご紹介します。

30代に入るころ住宅購入を決断する人が多い

国土交通省が調査した「令和元年度(2019)住宅市場動向調査」によると、注文住宅(新築)、分譲戸建住宅、分譲マンションでは、世帯主の年齢は30 代がもっとも多いという結果になっています。

また、厚生労働省が調査した「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、男女の初婚年齢は、男性は31.2歳で女性は29.6歳となり、加えて女性の第一子出産年齢は30.7歳という結果です。

これらのことから、30代は結婚や出産などのライフイベントが重なる年代であるため、住宅購入を決断する人が多いと考えられます。

「35歳くらい」が一番住宅ローンの審査に通りやすい年齢

家を買うためには大きな金額が必要となります。家を買う場合には、住宅ローンを利用するのが一般的ですが、住宅ローンは誰でも利用できるわけではなく、審査に通ることで融資が受けられます。この住宅ローンの審査に通りやすい年齢が「35歳くらい」のようです。

年齢が上がると月々の返済額が負担となる場合も

住宅ローンは年齢が上がるにつれて、月々の返済額が負担となるケースもあります。35歳くらいまでにローンを組むことで、余裕をもった返済プランが立てられるでしょう。

国土交通省が調査した「令和元年度(2019)住宅市場動向調査」によると、注文住宅、分譲戸建住宅の住宅ローンの平均返済期間は30年でした。定年までに返済を終えたいと考えた場合、30代で住宅ローンを組むのと40代で住宅ローンを組むのでは、月々の返済額が大きく異なってくると予想されます。

住宅ローンを利用するのなら、30代の若いうちに住宅を購入するほうが無理なく返済していけるでしょう。

家の購入にかかる費用とは?

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続いて家を購入するにはどれだけの費用が必要かチェックしていきましょう。

家を買うのに必要なのは物件価格だけじゃない!

住宅購入代は単に家そのものの価格だけではなく、購入するための手続きにかかる初期費用や購入後にかかる固定費なども含まれます。住宅購入時に現金での用意が必要なものとしては、物件価格の1~2割ほどの頭金や不動産登記などにかかる購入諸費用などです。

また住宅購入後には、月々の住宅ローンの返済や固定資産税などがかかってきます。家を買うためには物件価格以上のお金が必要となるので、自己資金を増やすか、無理な背伸びをせず手持ちの自己資金で買える範囲の家を探すことが大切です。

新築物件を買うのに必要な費用

新築物件を買う場合、売買契約から引き渡しまで期間がある物件もありますが、基本的に購入物件が決まるとすぐに支払いのタイミングがきます。

購入が決定したらまず、2万~10万円ほどの申込証拠金(不要物件もあり)、価格の5~10%の手付金、購入諸費用として印紙税1万円(物件価格1,000万円以上5,000万円以下の場合)が必要。そして仲介手数料を「(売買価格×3%+6万円)+消費税10%」を上限とし、通常半分にわけて、契約のときと引き渡しのときに払います。

引き渡しまでには、ローン契約として2万円の印紙税(物件価格1,000万円以上5,000万円以下の場合)、購入物件の残りの代金(物件価格-手付金など)、購入諸費用(新築一戸建ての価格の6~10%、新築マンションの価格の3~5%が目安)が必要です。

さらに引き渡し後には、引っ越し代(目安として50万円~)、引き渡しから半年~1年半後に不動産取得税(物件によりない場合もある)を支払わなければいけません。

たとえば、3,000万円の新築一戸建て物件を購入する場合、

<購入決定後すぐ>

申込証拠金 10万円
手付金 300万円(10%とした場合、手付金のみで計算)
印紙税(購入諸費用) 1万円
仲介手数料 52万8,000円(105万6,000円の半金)

<引き渡しまで>

印紙税(ローン契約) 2万円
購入物件の残りの代金 2,700万円(物件価格-手付金で計算)
購入諸費用 300万円(10%とした場合)

<引き渡し後>

引っ越し代 50万円
不動産取得税 物件によって異なる
仲介手数料 52万8,000円(105万6,000円の半金)

以上はざっくりとした目安ではありますが、購入物件価格以上の費用が必要になってきます。3,000万円の家を買う場合には、住宅ローンを利用するとはいえ、400万円以上の自己資金は用意しておいたほうがよさそうです。

中古物件を買うのに必要な費用

中古物件を買う場合も、売買契約時、引き渡しまで、引き渡し後にお金を支払います。まず、売買契約時に価格の10%ほどの手付金、価格の1.7%ほどの購入諸費用などが必要です。

次に引き渡しまでに、ローン契約時に2万円の印紙税、引き渡し前に購入物件の残りの代金(物件価格-手付金など)と購入諸費用(中古一戸建ての価格の6~10%、中古マンションの価格の5~8%)が必要になります。

引き渡し後は新築物件と同様に引っ越し代(目安として50万円~)、不動産取得税(物件により異なる)がかかり、リフォームをする場合はリフォーム費用がプラスされます。

たとえば、2,000万円の中古一戸建て物件を購入する場合、

<売買契約時>

手付金 200万円(手付金10%とした場合、手付金のみで計算)
購入諸費用 34万円(1.7%)

<引き渡しまで>

印紙税(ローン契約) 2万円
購入物件の残りの代金 1,800万円(物件価格-手付金で計算)
購入諸費用 200万円(10%とした場合)

<引き渡し後>

リフォーム代  リフォームの内容による
引っ越し代 50万円
不動産取得税 物件によって異なる

以上は目安としての金額ですが、新築物件購入と同様に物件価格の1~2割程度を自己資金として用意しておくと安心でしょう。