第4話のサプライズとなった世良の“覚醒”。同僚医師も驚くほど世良の手術技術は向上したわけだが、その成長を後押ししたのが唯我独尊の天城だから驚いた。天城の気まぐれにも見える世良への直接指導だが、これは天城が“自らの死”を予見しての後継者育成ではないか。その仮説の根拠となるのが、スリジエハートセンターの建設予定地で天城が世良に言った「いずれ僕も死ぬ。だけど建物は死なない」という言葉だ。突如飛び出した“天城の死”について筆者は遠い先の話としてとらえたが、第4話のクライマックスで天城が世良に指導する回想シーンが流れると、天城の死はすぐそこまで迫っているように思えた。死の影を察知した天城は、世良を後継者と見なして自身の技を引き継ごうとしているのではないか。天城が病を背負っているといった描写はないだけに仮説の域を出ないが、天城が世良に目をかけ𠮟咤激励する理由は今後明かされるだろう。

 第5話では新たな手術対象者として木崎(恵俊彰)、第1話で天城が手術したパク・ソヒョン(チェ・ジウ)が登場する。怒涛の手術ラッシュは東城大学医学部付属病院と維新大の権力争いにどのように影響するのか。そして、戸島の手術の結末は……。自由奔放な天城の言動とともに注目したい。

■番組情報
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
TBS系毎週日曜21時~

出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな、キム・ムジュン、田中みな実、石坂浩二、趣里、段田安則、小泉孝太郎、内野聖陽 ほか

原作:海堂尊「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」(講談社文庫)
脚本:槌谷健、守口悠介 ほか
音楽:木村秀彬
主題歌:小田和正「その先にあるもの」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監修:山岸俊介(イムス東京葛飾総合病院)
プロデュース:伊與田英徳、武藤淳、佐久間晃嗣
演出:西浦正記、加藤亜季子、伊東祥宏
製作著作:TBS

公式サイト:tbs.co.jp/blackpean_tbs/