空から加賀美がスパイダーマンみたいにシュタッと降ってきて、AIパワードスーツの威力でヤクザを追っ払いました。

 今回、特にオリジナリティを感じられるようなエピソードではありません。展開もテンプレートだし、AIスーツで悪い奴をぶっ飛ばすという解決法も第1話で見たものです。

 でも、楽しいんですよね『ビリオン×スクール』。木南のアクションもそうだし、美しい山田涼介がシュタって降ってきたときのヒーロー感、華やかさ。それに生徒役の子たちの気合の入ったお芝居も毎回楽しい。みんなが、競うように役に感情を入れているのがよくわかる。

 そして、今回も「承認欲求」というモチーフに対して、ちゃんとメッセージを作って伝えている。そこに本気が見えるから、作品がチープにならない。いいドラマだと思うし、その本気が伝わらない人に対しては、もうしょうがないと思う。

■木南晴夏のアクションのところ

 見ていて、ちょっと迷ってしまった部分がありました。その木南のアクションのところなんですが、ヤクザ5人くらいを相手に、木南が格闘で勝つんですね。超強いんです。

 で、これまで一花さんが格闘技をたしなんでいたという描写がなかったので、これが実力で強いのか、あるいは加賀美から女性用AIパワードスーツを与えられて着ているのか、どっちだろうと思ったんです。

 一花さんというキャラクター上、有能なスーパー秘書ですから、素でケンカが強くてもいいし、AIスーツでも不自然じゃない。

 ここからは妄想ですが、作り手も迷ったんじゃないかなと思うんですよね。一花さん1人でリナを救い出さなきゃいけないから、一花さんは強くなきゃいけない。でもAIスーツを着ていることにすると圧勝してしまうので、ヒーロー加賀美の出番がなくなってしまう。じゃあ、途中でAIスーツを無力化する、たとえばはぎ取られるとか破れるとかも考えられるけど、そうすると加賀美が作ったものの万能感・高級感が損なわれてしまう。