「上司に一目置かれる存在」になるには、どうすれば良いのか--多少なりとも出世の野望を抱く者なら、必ず思いを巡らせたことがあるはずだ。
「オマハの賢人」ウォーレン・バフェット氏が讃える3つの要素、ジェフ・ベゾス氏が知性よりも重視する能力、自社の全従業員を自ら面接したイーロン・マスク氏が掲げる企業理念などから、「トップ従業員」の特徴が見えてくるかもしれない。
ジェフ・ベゾス--正確な判断能力
2013年、CNBCの取材 によると、リーダーシップを発揮するような地位に昇格させる人物に求めるのは「知性ではなく 正確な判断能力 」とベゾス氏は答えた。
ビジネスでは 「賢い」よりも「正しい」方が利益を生む。ベゾス氏いわく「賢い人でも間違いを沢山おかすことはある」。
頭の回転が早かったり、博識の人が、かならずしも最大の成功を収めるとは限らない。大きな成功を収めるのは、「最高の成果を上げ、難しい決断から正解を引き出すことに専念できる人」というのがベゾス氏の見解だ(CNBC2017年11月6日付記事 )。
マーク・キューバン--上司のストレス軽減に役立つ「3W戦略」
NBAチーム「Dallas Mavericks」のオーナー、起業家、投資家など様々な顔を持つビリオネア、マーク・キューバン氏は、自分にとってのトップ従業員は「機転が利いてやる気に溢れ、学ぶ能力に優れているだけではない」という。キューバン氏が一目置く従業員は、「上司のストレスを減らすコツを心得ている」と語る。
環境経済学者のジョージ・ハルコス教授 が425人の労働者を対象に実施した調査では、ストレスが原因で生産性が低下し、米ビジネスは年間3000億ドルもの損失を被っていると報告されている。
キューバン氏いわく、自分のことを「仕事ができる人」と思いこんでいる従業員ほど、大騒ぎして物事を難しくするなど「最大のストレスの種」となる傾向がある。
せっかくのやる気や努力が空回りしないために、上司から最大限の評価を受けるために、同氏が提案するのは「3W」戦略だ。これは「自分が今何をしているのか・なぜそれをしているのか・いつそれが完了するのか」という、3つのWで始まる文章を指す。
この3つを必ず上司に伝えておくことが上司のストレス軽減に役立ち、評価につながるそうだ(CNBC2018年6月25日付記事)。